2013年5月17日金曜日

ユニークな塾③


「谷沢塾(たにさわじゅく)」
http://tanisawajuku.com/index.html

新潟県新発田市にある学習塾です。実際に私は訪れたことはありませんが、ネットで話題になったことがあります。

というのは、この塾は名目上、「個別指導」という形をとっているのですが、教師1人が生徒20名までを担当します。一般的な個別指導塾が教師1人に対して生徒2名までというのが常識の中、20名は極端すぎます。こんなことが可能なのは、この塾では教師が学習指導をしないからです。

では、教師は何をするのか? 勉強のやり方を説明するだそうです。(写真の感じ) 原則は自学自習。それが整うための環境とアドバイスを提供する塾なのです。「マインドマップ」というものを使用しながら勉強していくそうですが、こちらの方はよくわかりません。しかし、効果があるようなので、有効な方法なのでしょう。

いずれにしても、「自らの力で切り拓いていく力」を養うことが目的なのは間違いありません。
これは「本物の実力」を身につけてもらおうという理創塾の方針に通ずるものがあるように思います。いつかは教師のサポートなしに、誰の力も借りずに、自分で勉強できるようになることこそ理想です。そして、最終的に「生きる力」を身につけてほしい。教育者には少なからずそういう思いがあります。

私は「個別指導塾」での指導経験がありますので、その有効性もわかりますが、一点ほど気にかかることがありました。それは、生徒が教師を必要以上に頼ることになるということです。つまり、勉強していく限り、支えを必要とするようになる。自立できなくなるわけですね。

この塾では「個別指導」という形態をとりながらも、自立心を養成するという解決困難なパラドックスを見事に成立させています。「コロンブスの卵」的発想。そういう意味で私が衝撃を受けた塾のひとつです。